月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった64 BL小説 「へいへい。なんかこうこの部屋息が詰まりそうだから、ちょっと緊張をほぐそうとしただけじゃん」 お茶らかした寛斗のセリフを聞くと、響もこれは一息ついた方がいいかと立ち上がった。 「ようし、ちょっと休憩しよう。肩に力入り過ぎてる気もするから、寛斗、お
ヒョン、もう僕とは話もしたくもないのか… それはそうか… ミンソギヒョンは、僕のこと好きだとせっかく気持ちを伝えてくれたのに、僕は応えもせずに、初めてのセックスに夢中だった。 セフンは、ミンソクのことを好きと自覚して、自分のしたことがどれだけ傷つけることだったのか自覚した。 嫌われたのは、仕方ない。 自分のせいだ。 だけど、好きだと気付いた気持ちだけ、 伝えたいーーー 「...
ジュンヤとジュンのパース出発日は同じ日だった。ジュンヤは飛行機でシンガポールへ行き、そこからアメリカへ。ジュンはエドのジェットで、庭から直接ドイツのフォン・パトリッシュ家へ。ジュンはジュンヤがどこに行ったのかは知らない。でも、また会えるだろう。そんな気がする。鞄の中にはジュンヤ先生から貰った2通の手紙が入っている。手紙とはいえ、サークルの皆と同じものだ。「2年後、自分はいなくなるだろう。自分の可能...
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった63 BL小説 何も聞かずに俺の手を握っていた井原の手はすごく温かくて。 ポトリとひとしずく、下を向いていた響の目から床に落ちた。 ほんとはすごく好きだった。 だから俺なんかといちゃいけないやつなんだって。 またひとしずく、落ちた。 もう何年も胸の奥に
<<はじめから読む!<(13)「駒岡さーん」 スマートフォンで「もうすぐ帰るよ」とメッセージを打ち込んでいた雪人は、一度目の呼び出しをスルーしてしまった。「駒岡雪人さーん」 フルネームで呼ばれ、ハッとして立ち上がる。「あ、はい! います!」...
ピロン スマホの通知音がなり、カトクを眺め、はぁと息を吐く。 ーー着きました。宿舎の前にタクシーいるのでそれに乗ってください ミンソクはグッと帽子を深くかぶり、外に出る。 タクシーに乗るとセフンも後部座席に座っている。セフンだけ仕事だったのでミンソクを迎えに来たのだ。 ミンソクが乗るとタクシーは走り出す。 ミンソクはどこに行くのか聞きたかったが黙っていた。セフンもじっと黙...
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった62 BL小説 だが所詮モラトリアムの中での思いの延長だ、お前の好きは自分と同じ好きではないかも知れない、響が口にしなかったのは、井原のためだと……。 いずれは井原も誰か愛する人に巡り合って、秀喜のように結婚するのだろうと。 十年越しの初恋なんかもう忘却の彼
今の祐樹に出来ることは、精神科の医局の情報を清水研修医から聞き出して、森技官が帰ってきた時に補足情報を引き出す程度だ。『ああ、あの二人ですか。患者さんではなくて、老害の顔色をうかがっているだけです。老害が『カラスは白い』と言えば、『そうで
<登場人物・あらすじ>渋谷慶……医学部6年。身長164センチ。中性的で美しい容姿。でも性格は男らしい。本編主人公1。桜井浩介……高校教師3年目。身長177センチ。外面明るく、内面病んでる。慶の親友兼恋人。本編主人公2。女友達の「一之瀬あかね」に恋人のフリをしてもらっている。渡辺恵……医学部6年。身長155センチ。慶と同じ実習グループの一人。あだ名はナベちゃん。本読み切りの主人公。高校2年生のクリスマス前日から晴れて恋人同士となった慶と浩介。それから7年数か月。浩介が就職して、慶の大学の近くにアパートを借りているため、現在は半同棲状態。まわりには仲の良い親友と言っている。渡辺恵ちゃん、3回目の登場です。短編「王子の王子」で、浩介に、慶に手を出さないよう釘をさされた女の子です。短編「王子の王子とバレンタイン」...BL小説・風のゆくえには〜王子の王子と浴衣デート(前編)
「薔薇の花束や、この百合に込められた悪意は私でも説明出来ますが、未来の嫁姑問題に関しては、正直自信がありません。独身者には荷が重いですし、説得力にも欠けます。そういうのに詳しいのは柏木先生ではないでしょうか?祐樹、確か彼も救急救命室勤務だっ
セフンは仕事に支障が出始め、 このままではいけないとミンソクに気持ちを伝えようと心に決めた。 いまさら、迷惑だと思うけど… でも、伝えないと前に進めない。 そうじゃないと、これからの活動でみんなに迷惑をかけてしまう。 セフンは意を決してミンソクの部屋に行く。 トントン 「はぁーーい?」 カチャリと開くドアをミンソクが見上げ、固まる。 気まずそうな表情でセフンが立って...
ジュンヤは机上勉強ならどんとこいの執念で合格した。実技及び研修先は、あの人が迎えてくれたので安心してアメリカに発てる。そのジュンヤに、一緒に暮らしているAは言いにくそうだ。「A、今までありがとう。待たなくていいからね」「あのさ……」「なに? 思い切って言ってみて」「アンディなんだけど」その名前に気持ちはグラつく。「う、うん……」「バツイチだって知ってた?」「知らない」「一緒になっても怒らない?」「Aはア...
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