31話 「大好きだよ」って囁く午後──初恋みたいな湖のきらめき
レオンが目を覚ましたのは、パンと果物の甘い香りがふわりと漂ってきたせいだった。「……ん」体をゆっくり起こすと、視界に入ったのはセレナとリナが広げたピクニックシート。その上には、色とりどりのご馳走が並んでいた。「おはよう、レオン」セレナがぱっ...
――ピクニックの朝セレナはリナに手を引かれ、自室の前面鏡の前に立たされていた。「さあセレナ様!今日は張り切っておめかししちゃいましょうね!」「えっ、えっ……そんなに気合い入れるの?」「初デートですもの! いつもとはちょっと違う“特別なセレナ...
29話 ただ、寄り添ってくれるだけで――優しい夜と、静かな朝
やわらかな明かりが灯る寝室に、静かなノックの音が響いた。そっと開かれた扉の向こうに立っていたのは、執務服姿のままのレオンだった。少し乱れた銀の髪と、ほんのりと色づいた頬――どこか急いできたことが、その様子から伝わってくる。「……おかえりなさ...
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