もう一度店内を振り返ると、またもやあの男と目が合った。 と、いうよりも男がじっと現代のほうを見ていた。 そして静かにこちらを指差し、先ほどの女性店員に一言。 「そうだな、彼のイメージでもらおうか」 それは命令することに慣れた温度を感じさせない口調だった。 訝しげに男を見ると、男はやけに冷たい表情で現代の視線を受け止めた。 見るからに大企業の上層部といういで…
次に目が覚めたときは牢の中だった。 小さなその部屋の隅で、玲良が目を覚ましたことに気付いた男がふとこちらを振り返った。 「起きたか」 「・・・猫」 「その呼び方はやめろ」 「親しみを込めているつもりだ」 ゆっくりと身を起こしつつ、不機嫌顔の現代に反射的にそう返すと、冷めた目で軽く睨まれた。 「俺には喧嘩を売られているようにしか聞こえない。 大体何なんだ、あん…
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