「―――あいつさぁ、」 紫煙が揺れた―――様にみえた。 錯覚だ。だって夜衣(よい)はもう煙草を喫っていない。夜衣が吐いたのは、ただの白い息。 ぼくは夜衣に眼を向けて、それからその視線の先を追って天を見上げる。 冬の夜空。澄んだ空気に星が瞬いている。月は細く、居心地悪そうに浮かんでいた。「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・どーすんの?」 その声が少し震えていたのは、この寒さの中長時間こんな処に立っていたからだろうかそれとも、「・・・・・・・・・・・・・・・・・・どう・・・・・・、」 何気ない風を装っ…
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