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小説15禁・18禁(性描写あり)

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小説15禁・18禁(性描写あり)
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小説15禁・18禁(性描写あり)
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(ご自分が書かれた)小説の中に15禁・18禁と思われる性描写の箇所があれば、気兼ねなくTBして下さい♪  フィクションの小説であればジャンル・カップリングは問いません。 ・NL(ノーマルラブ♀X♂) ・BL(ボーイズラブ♂X♂) ・GL(ガールズラブ♀X♀) ・恋愛ものではないけど、小説の中に性描写がある。 一部でも全編でも構いません。お子ちゃま向きではないと思われる内容(但し小説)があれば、どうぞご参加下さい。 オリジナル・二次創作どちらでもどうぞ〜。 ●●●必読!!!! ご注意下さい!!!!●●● ※猟奇ものはNG ※小説であることが前提です。創作物上の表現としての描写です。実話等はアダルトの域になりますので、ご遠慮下さい。 ★純粋にフィクションの小説の記事のみです。それ以外は非表示にさせていだいております。 ★日記・体験談・作品解説・書評・雑記(あとがき・拍手お礼含む)・イラストは小説ではありません。  管理人の目に留まったときには非表示とさせていただいております。(トラバ先に小説がないものを対象にしてます) ♪♪♪BL小説でストーリー重視の方はトラコミュ「オリジナルBL小説・・・ストーリー系」にもどうぞ♪♪♪
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13,392件
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186人

小説15禁・18禁(性描写あり)の記事

2019年12月 (1件〜50件)

  • #いちゃいちゃ
  • #ユノ
  • 2019/12/31 14:28
    ピンちゃん〈5〉 美しい勇気のための弁論

    「愛」の「不純さ」を知ってこそ、「愛」の「純粋さ」に思い至ることができる。人間関係に関する著作を手がけるエッセイスト・長住哲雄が、「愛って何?」を、科学的、文学的、ときどき叙情的(?)に解き明かす恋愛論ブログです。

  • 2019/12/26 20:44
    ローズマリーの詩〈29〉 40年後に訊きたいこと

     連載   ローズマリーの詩   29 40年後に訊きたいこと破産して家の離れに間借りするおじと、出戻りの私。それぞれの愛の物語。おじを千里さんの店に誘い出す少し遠めの散歩。40年ぶりに再会したかつての恋人同士は「どうして?」と声をそろえた。その「どうして?」の

  • 2019/12/25 21:31
    10年前の君へ、ベアトリクスに出逢った僕より。

    約380個ある鍵のうちの1つ。それを手に、アルフレードはぽかんと口を開けてしまった。ロンドンと並ぶ世界トップクラスの世界都市、ニューヨーク。1524年にフランス国王の命を受けたイタリアの探検家ジョバンニ・ダ・ヴェラッツァーノがこの土地に足を踏み入れ、そのおよそ100年後にオランダ人の手によって交易場として築かれた街。そうして今や、アメリカ合衆国のみならず、世界の政治・経済・文化・ファッション・エンターテイン...

  • 2019/12/24 21:45
    ピンちゃん〈4〉 孤独なレオタード

    「愛」の「不純さ」を知ってこそ、「愛」の「純粋さ」に思い至ることができる。人間関係に関する著作を手がけるエッセイスト・長住哲雄が、「愛って何?」を、科学的、文学的、ときどき叙情的(?)に解き明かす恋愛論ブログです。

  • 2019/12/24 18:00
    Tue, December 24

    遠い昔。地図もない世界を歩いた旅人は、夜空の星を道標にした。テレビもラジオもない国で生きた人々は、夜空の星に物語を見た。人智の及ばない出来事に直面したとき、夜空の星に願いや祈りを託した。「月がない漆黒の夜でも、闇にならないのは星があるからなんだよね」今のように電気がない世界を生きた人々にとって深い夜の中に輝く光は、どれほど安心するものだっただろう。太陽のように、大地を隅々まで照らす強いものではない...

  • 2019/12/23 16:59
    Mon, December 23

    まだ3歳ほどの小さな男の子が大きな瞳を更に大きく丸くし、くしゃりと顔を歪めて泣き出す。何事かと足を止める人々の視線を横から受けながら、ハインリヒは突然のことに成す術もなく固まった。救いを求めるように隣を歩いていたアルフレードを見れば、居るはずの場所に彼の姿はなく。幼子に視線を合わせるようにしゃがんだ彼の旋毛を見つけたとき、心から安堵したのは言うまでもない。「どうしたのー?ぶつかってはいないと思うけ...

  • 2019/12/22 21:47
    Sun, December 22

    熱病に冒されているように頬を染め、焦点の定まっていない鳶色の瞳はしっとりと濡れている。それは、ともすれば熱を分け合う行為で見せる表情にも近く、扇情的な色香でハインリヒは噎せそうになるのを何とか堪えた。琥珀色のブランデーが半分ほど残っているグラスをテーブルに置き、「アル」と彼の愛称を呼ぶ。「なぁーにー?」「…酔っているな。水飲むか?」「ん?ふふ、だいじょーぶだよ」ぽやっとした表情で笑うアルフレードの...

  • 2019/12/21 20:05
    Sat, December 21

    創業1610年。400年以上の歴史を持つその小さな店は、ニュルンベルクの象徴とも言える聖ローレンツ教会の隣にある。レースのような精巧で緻密な彫刻が施されたファサードと天に向かって真っすぐ伸びる2本の尖塔は荘厳で、そのゴシック様式の美しさを前に人々は思わず足を止めるだろう。だが、それを視界に入れることもなく足早に教会の前を通り過ぎた男が居た。街並みを一瞥することもなく、彼は老舗らしい趣ある重厚なドアに手をか...

  • 2019/12/20 11:42
    Fri, December 20

    突然の天候の悪化による航空機の運休は、誰にも予想できないトラブルだ。しかし、不測の事態だからと言って何もかもが許されるものでもない。「代わりのモデルを探していますが、この天気ですから難航しているようです」「だが、これ以上のリスケジュールは無理だろう」「今後の編集作業と納期を考えれば、極めて難しいですね」クライアントの意向に合った広告を作ることだけが広告代理店の仕事ではない。1つの広告を作り上げるま...

  • 2019/12/20 11:21
    Thu, December 19

    選択肢はいくつかあっただろうに。何故、あえて“ソレ”なのか。王道と言えば王道だが、何故“ソレ”なのか。しかし、楽しそうに咲き誇る笑みを前に、ハインリヒは言葉を飲み込んだ。「これはまた随分と可愛らしいトナカイですね」「ちゃんと赤鼻まであるんですね、可愛い」可愛い可愛い、と繰り返す部下たちに内心で同意しながらも、トナカイに扮しているアルフレードにハインリヒは脱力した。主治医であるダイトの診療所で、子供たち...

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  • 2019/12/18 21:39
    ピンちゃん〈3〉 黄色い声援の主

    「愛」の「不純さ」を知ってこそ、「愛」の「純粋さ」に思い至ることができる。人間関係に関する著作を手がけるエッセイスト・長住哲雄が、「愛って何?」を、科学的、文学的、ときどき叙情的(?)に解き明かす恋愛論ブログです。

  • 2019/12/18 00:09
    Wed, December 18

    どんなに小さな光でも食む、柔らかな金糸の髪。きめ細かく、滑らかな白い肌。一度味わえば忘れられない極上の果実のように、甘く瑞々しい唇。穢れなど知らないかのようで、その実、世界の醜さや残酷さと向き合ってきた鳶色の瞳。細い腕は剣を握り、華奢な背中には計り知れないほど苛酷な過去を背負っている。ただ綺麗なだけの存在ではない。ただ護られるべきでも、美しいだけの存在でもない。「っ、は…ふ…ぅん、」蕩けるように甘い...

  • 2019/12/17 21:24
    Tue, December 17

    あぁ、彼はただ護られるだけの存在ではないのだ、と改めて思う。普段の穏やかな微笑みや声音からは想像もできない、苛烈な眼差しにぞくりと肌が粟立つ。それは、恐怖からではなく。神聖なものが目の前に顕現したときのような心地の良い緊張感に、心が高揚する。「オレに触らないでください」声を荒げているわけではないが、凛としたそれは力強く。行き交う人々が思わず足を止める中、ハインリヒは駆け出した。アルフレードが対峙す...

  • 2019/12/16 18:06
    Mon, December 16

    「この中のものを一式、カードで」ハインリヒが黒く輝くカードを無雑作にポケットから取り出し、店員の手に渡すのをぽかんと口を開けて見ていたアルフレードはその流れるような動作を止めるタイミングを見失った。はっ、と気付いたときにはもう遅く。彼のカードを預かった店員の背中は、賑わう店内のどこかに消えていた。「…は、はいん?」「何だ?」「この中のものって、この中のもののこと?」「あぁ。気に入ったんだろう?」ア...

  • 2019/12/15 20:20
    Sun, December 15

    上等な洋酒をたっぷりと使い、時間をかけて漬け込まれたドライフルーツの甘味と酸味が口内に広がる。その後を追うようにナッツの香ばしさが鼻から抜けていくのを感じながら、アルフレードはふにゃりと笑みを浮かべた。シュトレンを頬張り、もぐもぐと頬を動かすその様は小動物が木の実を口いっぱいに入れている姿に似ていて。ハインリヒもまた、瞳を細めて口端を緩めた。「お前は本当に美味そう食うな」「はっふぇほいひいんはもん...

  • 2019/12/14 19:16
    Sat, December 14

    “何か”を求め続けていた。己の全てを注ぎ込めるだけの、“何か”。漠然としたその想いを上手く言葉にすることもできず、あの頃はそれこそ手当たり次第だったと今になって気付く。「フェンシングもそのひとつだったんですか?」「そうですね。ですが、その“何か”ではありませんでした」努力をせずとも何かを為す人は居る。だが、他者の目にどう映ろうが、自分がそうかと問われれば違うのだ。確かに記憶力は良い方なのかもしれないが、...

  • 2019/12/13 19:41
    ピンちゃん〈2〉 彼女の親衛隊

    「愛」の「不純さ」を知ってこそ、「愛」の「純粋さ」に思い至ることができる。人間関係に関する著作を手がけるエッセイスト・長住哲雄が、「愛って何?」を、科学的、文学的、ときどき叙情的(?)に解き明かす恋愛論ブログです。

  • 2019/12/13 18:38
    Fri, December 13

    白いローブの両肩に金糸で十字架を施された赤いストラを掛けたアルフレードの姿は、聖職者そのもので。ハインリヒは微かに瞠目させたあと、ふっと相好を崩した。あぁ、やはり彼は“そちら側”の存在なのだな、と。(…アルが掴むはずだった未来の1つの姿、か…)普通にハイスクールを卒業していたら、育ての親であった司教を追って聖職者になるつもりだった。彼からそう聞いたときは、驚きもしなかった。神は居ない、と口にしながらも...

  • 2019/12/12 22:39
    Thu, December 12

    白。それは、純潔や清純、清浄を表す神聖な色。しかし、故に酷く冷たい色だ、と一面の白銀世界を見つめながらフルアは思った。冬が深いドイツで雪は珍しいものではなく、ミュンヘンの象徴でもある家々のオレンジ色の屋根も今は真っ白に塗り潰されている。車のタイヤの轍もあっという間に埋め尽くされ、吐く息も白い。当たり前のようにあったはずの街の色が、無い。(けれど、これが私にとっては普通だった…)屋根も石畳も仕掛け時...

  • 2019/12/11 20:21
    Wed, December 11

    ミュンヘンは、「人口130万人の村」と言われている。ドイツで3番目に大きく、130万人もの人口を擁する大都市でありながら、小さな村に居るような居心地が良い街という意味だ。近代的なビルも増えてきたが、それらはオレンジ色の屋根が立ち並んだ旧市街の中に見事に調和している。近代的な文明と歴史的な文化が互いの存在を認め合い、その中に流れる時間は穏やかで。ミュンヘンは時代の移り変わりや人々の営みを見守る街であり、こ...

  • 2019/12/10 20:35
    Tue, December 10

    口減らしのために森に捨てられた兄妹が悪い魔女に見つかって誑かされるも、危機的な状況を何とか脱するという有名な童話がある。その童話を象徴するのが、空腹な兄妹を惑わせた“お菓子の家”だ。ジンジャーブレッドの壁に飴やグミで飾られた屋根、透き通った砂糖で作られた窓。童話の中に描かれたその家が。もしも、目の前にあったとしたら。「…これは…本物、だよな…」目の前にあるのは、童話の世界に出てくるそれそのもの。上着を...

  • 2019/12/10 09:08
    自分の道は自分で決める! (70) R18! 性描写あります。抵抗ある方はスルーしてください。

     今、ショーンはなんて言った? 聞き返そうかどうしようと思っていたら、ショーンは再度言ってくる。  「俺の中に入れるか?」  「入れるとは……」  こう返してきた。  「童貞を卒業させてやる」  「だ、誰が童貞」  「違うか?」  その言葉に返すことができなかった。 ショーンは私の大事な所を握ると、自分の穴の中に押し込む。  「あぅ、ぐ……」  「んー……、いつもと逆だからな」  「あ、あ、あ、あ……」 ...

  • 2019/12/09 20:12
    Mon, December 9

    終わりの見えない長い戦争の中で、一時的な休戦を選択することは決して珍しくない。政治的な理由、資源の枯渇、戦力の不足。理由や状況は様々で、意図的なものから自然発生的なものまで、挙げればキリがないだろう。「俺も何度か経験しました。それこそ、意図的なものも自然発生的なものも」「私たちが知らないだけなんですね」「大規模なものは報道されますけどね…あとは、歴史的なものとか」「あぁ、“クリスマス休戦”ですか」首...

  • 2019/12/09 09:14
    自分の道は自分で決める! (69) R18! 性描写あります。抵抗ある方はスルーしてください。

      「ん……」  何かを感じる。 これはなんだろう。 とっても気持ちいい。 でも、なにをしているのか気になるので目が覚めてしまった。  「な、に……」  「お、起きたか。もう朝だぞ」  「もう、そんな時間なんだ」  ベッドに身を起こし、ウーンと伸びをする。 ショーンは含み笑いをしているのか、いたずらっ子のような笑みをしている。  「なに、どうかしたの?」  「見事に焼けたなあ」  「なにが」  「その...

  • 2019/12/08 22:57
    Sun, December 8

    人間は1匹では生きて行けないか弱い羊で、その羊を加護し、良い方向へと導く羊飼いが神であると言う。クリスマスツリーによく飾られている赤と白のストライプ模様の可愛らしい杖のオーナメントは、その羊飼いが持つ杖を模したものである。つまり、それは。神が、人間を導くための杖。「ハインはそれを傲慢だって言うんですよ」「傲慢?」「羊が1匹では生きて行けない弱い生き物だと勝手に決めつけるな、って」プラスチック製のオー...

  • #短編小説
  • 2019/12/07 23:38
    ピンちゃん〈1〉 平均台を舞う鶴

    「愛」の「不純さ」を知ってこそ、「愛」の「純粋さ」に思い至ることができる。人間関係に関する著作を手がけるエッセイスト・長住哲雄が、「愛って何?」を、科学的、文学的、ときどき叙情的(?)に解き明かす恋愛論ブログです。

  • 2019/12/07 22:14
    Sat, December 7

    目の前に差し出された真っ白なそれは、空に浮かぶ雲をちぎり取ったもののようで。見た目の質量はあるものの、煙のように輪郭はおぼろげで。微かに甘い香りが鼻腔を擽り、ハインリヒは首を傾げた。「な、何だこれは…」「え?食べたことないの?」鳶色の丸い瞳を更に丸くするアルフレードに、ハインリヒは困惑したまま首肯で返した。菓子だということは甘い香りで分かったが、全く食べ応えのなさそうなそれとの遭遇に戸惑いが隠せな...

  • 2019/12/06 22:36
    Fri, December 6

    人が人を想うとき、その形は様々あれど。その根本にあるものは等しく“愛情”であると知ったのは、いつだったか。鼻歌混じりにバルコニーで日光浴を楽しんでいるアルフレードの背中を見つめながら、そんなことを考える。たとえば、今。氷点下になることも珍しくないミュンヘンの冬にしては稀な暖かな陽射しを満喫している彼の嬉しそうな姿に、純粋に嬉しく思う。楽しそうな鼻歌に、心が和む。彼と過ごす穏やかな時間が、ひどく心地良...

  • 2019/12/05 21:09
    Thu, December 5

    ひらり、と何かが落ちた。毛足の長いラグの上に直に腰を下ろしていたハインリヒは、音もなく滑り落ちていったそれに手を伸ばして。黒に限りなく近いブラックサファイア色の瞳を微かに瞠目させた。(これは…)小説を読むようにじっくりとページを捲りながら見ていたアルバムのどこかに挟まっていたらしいそれは。トナカイとサンタクロースのイラストが描かれた、クリスマスカード。そこに書かれている文字は見慣れたもので。そっと...

  • 2019/12/05 20:57
    かわいすぎる友だち〈13〉さらば欲望

    「愛」の「不純さ」を知ってこそ、「愛」の「純粋さ」に思い至ることができる。人間関係に関する著作を手がけるエッセイスト・長住哲雄が、「愛って何?」を、科学的、文学的、ときどき叙情的(?)に解き明かす恋愛論ブログです。

  • 2019/12/04 22:13
    Wed, December 4

    人工的な光。所謂、イミテーション。言うなれば、偽物。そんなものに何の価値があるのか、と内心で吐き捨てながら、ハインリヒは不機嫌さを隠しもしないで壁に凭れた。「もう少し取り繕ってください」「はっ、無駄なことはしない主義なんでな」「これも仕事ですよ」やれやれと言わんばかりに肩を竦める部下の苦言も右から左に聞き流し、無理矢理持たされたグラスのワインを煽る。国内のみならず、世界的にも名のある一流ホテルが客...

  • 2019/12/03 21:59
    Tue, December 3

    キラキラ、と。小さな光の粒が散る。「…Berro…」思わず零れた感嘆は足元に落ち、その上に雪が降り重なった。吐く息が白く染まり、怜悧な空気に晒されている頬や耳がジンジンと痛むほど寒いというのに。上等なスーツの上にコートを羽織っただけのハインリヒの背筋は、ピンと伸ばされている。左手には重たそうなビジネスバックを持ち、右手でモバイルを耳に当てている。誰かと通話しているようで、時折唇が動き、その度に真っ白...

  • 2019/12/02 18:24
    Mon, December 2

    耳鳴りのように鳴り響く、エマージェンシーコール。それは、人の命の悲鳴。救いたくても救えなかった多くの命の悲鳴が、今も耳の奥で鳴り続いているような感覚が消えない。大切な命を奪った酷い雨が降っていたあの日の夜も。医師として初めて命を救うことに躊躇したあの日も。甲高いコール音が連れてくるのは、いつもいつも残酷で苛酷な現実ばかり。医局長にまで上り詰め、長く勤めていた大学病院を辞めてドイツで開業することを決...

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