静思はゆっくりと寝かされていたベッドから身を起こすと、 ほぼ同時に両側からすっと差し出された 時郎と董の手を交互に見た。 少し頑張れば、そのような支えに頼らずとも自分の足だけで歩くことは可能だと思うが・・・ 静思がわずかに迷っていると、逆に董のほうから手を取られた。 すると今度は反対側を時郎に取られる。 「とりあえず目標は十キロ増だな」 「時郎、そういうおまえだって…
「明成、これは?」 木の根のそばにしゃがみ込み、草をそっとかき分け、そこに見つけたものを指差し、 現代は傍らに立つハイキングルックの男を見上げて言った。 「それはだめだ。 誤って食べたら吐き下しは免れない毒きのこだ。 しかも、最短でも二日間は高熱で寝込むことになる」 「・・・。 なあ、この寂れた町にも一応スーパーは何軒かある」 「だからわざわざ自らきのこ狩り…
「その前に、聞こうか。 私の仔猫は、また一体どこで誰にナンパされたのか。 きみの回答によってはご褒美のデザートはもう少しお預けになってしまうかもしれないが」 「・・・あなたを探している人物に会った」 「ほう。 きみは本当によくその手の人物に遭遇するな。 これで何度目だ?」 明成の言うとおり、この流れは過去にも数回あり、互いにすでに免疫がついているため、 毎回尋ね人…
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