静思はゆっくりと寝かされていたベッドから身を起こすと、 ほぼ同時に両側からすっと差し出された 時郎と董の手を交互に見た。 少し頑張れば、そのような支えに頼らずとも自分の足だけで歩くことは可能だと思うが・・・ 静思がわずかに迷っていると、逆に董のほうから手を取られた。 すると今度は反対側を時郎に取られる。 「とりあえず目標は十キロ増だな」 「時郎、そういうおまえだって…
「どうした?」 ん? と問いながら耳たぶを甘噛みされ、そこから全身に甘ったるい痺れが広がっていく。 「うぅ・・・あなたは、昔から意地が悪すぎるんですよ・・・っ」 「表面を取り繕い本性を隠して相手の懐に入るのは簡単だが、 これから長く付き合っていこうと思う相手にそんなことをしても意味がないだろう。 互いに本性を見せ合い本音で語らなければ本物の信頼関係など築けな…
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